やっぱり話せるようになりたい(4)モード・チェンジ 重心の変え方

『声に出して読みたい日本語』の斎藤孝氏は、

英語の音読の本も出されています。

 

からだを揺さぶる英語入門

からだを揺さぶる英語入門

 

 

音読は大事ですから、この本の文章も生徒と読みます。

名文を読むのは、気分が良い。ついているCDの朗読も素敵です。

 

この本の中に「英語の身体へのモードチェンジ」という考え方が出ています。

 

確かに、私も英語を話すときには、一種のモード切り替えをしています。

 

「英語のわたし」へ変身です。

  

身体の使い方が自然に変わっています。

 

別に、両手のひらを上に向けて、「オゥ?」と言って首を傾げたり、

大げさに肩をすくめたりしろと言っているのではありませぬ。

それは、恥ずかしくてできません……。

 

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『身体を揺さぶる英語入門』の中でも言及されていますが、

日本語と英語では、話すときの身体の重心が違います。

 

日本語を話すときは、重心は丹田のあたりです。

 

能でも、狂言でも、膝を曲げて、腰を落とした姿勢で、

重心はぐっと下の方にあります。

 

確か、シュタイナー公開研究会の教員養成講座で

国語の時間に、相撲の四股を踏むことを教えてもらいました。

 

四股を踏むと、重心を下げることができます。

 

四股を踏む前と後では、例えば、宮沢賢治の『風の又三郎

「どっどど、どどーど、どどーど、どどー」

読んでみると、声の出方が全然変わります。

 

四股を踏んだ後は、音が落ち着いて、聴きやすい。

 

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これに対して、西洋のバレエを思い出していただくと

ずいぶん重心が上にありますよね。

 

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 (モンテカルロバレエ団 LAC~白鳥の湖

たぶん、胸のあたりです。

 

腰から下がすごく長く、方向性は、上へ、上へ、と、軽い感じです。

空気感がある。

 

 

以前、トマティスメソッドに詳しい先生の通訳講座を受けたときにも、

 

英語でも一番周波数の高いのは

イギリス英語で、重心は頭、

アメリカ英語は、少し下がって胸のあたり、

ドイツ語がみぞおちの下あたりで、

日本語は丹田、と、教わった記憶があります。

 

 

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なので、英語モードへ変身するには、

丹田にあった重心を胸まで持ち上げるのが早い。

 

重心を胸まで持ち上げるために、

『身体を揺さぶる英語入門』の中にあった方法を

少し応用させてもらって使っています。

 

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羊毛の小さいボールを握ります。

前に突き出した手を、

肩から後ろにグルンと、一回転させて、

斜め前方、天井と壁のぶつかるあたりを狙って

下から上へ、放り投げてもらいます。

 

これを何回か繰り返して、

目指すポイントが明確になってきたら、

ボールは置きます。

 

次に、ボールを放り投げるイメージで、

下から上へ放り投げるように、

両手を後ろから前に

ポーン、ポーンと、投げ上げてもらいます。

このとき、リズミカルに体を上へ、上へ、

身体が伸びたときには、かかともしっかり上げて、

胸のあたりに意識が行くようにします。

 

そして、背筋を伸ばして歩きながら、

本は顔の前にささげ持ち、

下を向かないようにして音読します。

 

すると、あら不思議、なんとなく楽に読めるのです。

アクセントやリズムも強弱がつけやすく、軽くなります。

 

常々、英語は口の先っちょで「ttttttt」と、話す言葉だなあ、と、思っているのですが、

胸に意識を置いて、上へ、上へ、と伸びる身体の使い方をすると、

軽い、英語らしい感じが楽に出るのです。

 

 

これで四股を踏んじゃうともうだめです。

平板になってしまって、英語らしく読もうと思っても難しい。

これではプレゼンをしても、誰も聞いてくれません。

 

 

まとめると、

 

英語を声に出して読むときは、身体のモードを変える。

胸に重心を意識的に持ち上げて、

日本語よりも、

ダイナミックなリズムとアクセントで、

斜め上に向かって読み上げる。

 

音読でモードチェンジの練習を十分しておけば、

話すときも自然に胸に重心が移動するようになります。

 

リスニングと呼吸の関連もそうでしたが、

 

言葉と身体の関係はとても興味深いです。

 

cf. リスニングと呼吸【受験生の方へ】 – えいごのいずみ

 

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