100回の聞き方

A Bear Called Paddington (Paddington Bear)

 

きのうの続きです。

 

最初に100回聞く「ねらい」を書いておきます。

 

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積極的な目的:教材と同じ発音ができるようになる

       内容を覚えて、表現を自分のものにする。

 

おまけの効果:英語を英語で聴けるようになる

       必要な単語が飛び出して聞こえるようになる

 

 

100回の聞き方

第1段階:14回は受け身で流して聞く。

第2段階:イヤホンで教材を聴きながらshadowingで自分の声を録音する。

     一度、範囲を全文やってみる。

第3段階:1文ずつ練習する。

     音声教材と自分の発音が同じになるまで練習する。

     できるようになったときには、もうその箇所は覚えている。

 

第2段階と第3段階以外のときも、1日14〜5回聞き、

1週間で100回聞くようにする。

 

 

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教材の量は欲張らないようにします。

本なら一つのパラグラフだけ、とか、1ページだけ、とか、

会話文に絞る、など、自分でターゲットを決める。

スキットなら1場面のみにします。

 

「100回聞く」と言っても、

ただ聞き流しているだけではありません。

 

ただ聞き流すのは、脳が途中で寝てしまうので、

効果が出にくく、もったいないのです。

 

1週間に100回聞くには、1日に14回以上は聞くことになります。

 

最初の1日は、流して14〜5回、そのまま聞いてください。

全然わからないと思いながらも、

耳に決まって飛び込んでくる単語というのが出てきます。

 

このくらい聞くと、音声に合わせて言いたくなってきます。

 

2日目からは、もう少し「積極的に聞く」回を増やしていきます。

 

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このときは、機材が2台必要になります。

 

教材の音声を再生する機器、これにイヤホンをつなぎます。

それから自分の声を録音する機器です。

 

教材の音声はイヤホンで聞き、

聞きながら、後を追いかけて、言ってみて(shadowing)

自分の声だけを録音します。shadowingの最初は、テキストを見てかまいません。

最初は自分の決めた範囲を全部やってみます。

ああ、全然できない、と、思うでしょう。

 

その次に練習は1文ずつやります。

ターゲットは、1日1〜2文から始めるのが良いでしょう。

 

録音したら、教材の音声のスピード、アクセント、イントネーション、

リンキング(言葉のつながり方)と、自分の録音した発音のどこが違うのか、

どうすれば一緒になるか、試行錯誤しながら何回も聞いて、録音して、

これを繰り返します。

 

言葉が繋がって一語に聞こえるところや、うまく言えないところは、

音声と同じように言えるようになるまで練習します。

 

ここまでくると、もう覚えています。

 

そう、聞き流すのではなくて、

覚えてしまうくらいshadowingをしながら聞くのです。

 

100回聞くことの目的は、

その箇所の表現を正確な発音で言えるようになり、しかも覚えることです。

 

もちろんおまけもつきます。

英語を英語で聴けるようになる。

必要な単語が耳に飛び込んでくるようになる。

 

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練習をしてから、次にただ聞いてみると、

 

聞き始めたときと、明らかに意識が変わっているのがわかります。

 

1日に14〜5回聞くとき、ずっと意識的でいられるはずもないのですが、

 

「ここのイントネーションは、どこが強いんだろう」

「ここをもっとちゃんと言えるようになりたい」

 

問いを自分の中に一度持ったあとで聞くのと、漫然と聞くのでは、

電車の中やお風呂の外で流して聞いているときでも引っ掛かり方が変わってきます。

 

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「なかなか覚えられません」と、おっしゃったマダムとわたしが

 具体的にした練習を書いてみましょう。

 

今回、パディントンの中の会話文の中の1文

 

“If you don’t want it I can soon take it away again,”

 

これを「練習」に使いました。

 

この文は意味が二つにわかれています。

 

If you don’t want it

 

I can soon take it away again

 

たぶん音声を聞くと、take it away again

ここが、一続きになってしまって聞き取れないはずです。

 

そこは教材の音声と一緒になるまで、何回も何回も練習します。

最初は、テキストを見てきちんと言えるようにし、

途中から見ないで言えるようにします。 

 

さて、覚えるときですが、

 

だいたい前半部分はテキストを見ずに言えますが、真ん中と最後が抜けます。

 

If you don’t want it

 

ここまではすぐに言えるようになります。

 

 

そこまで来たら、

 

I can soon take it away again.

 

ここだけ練習します。

 

そうすると、後ろの方があやふやになってきて、

 

take it away soon.

 

と、言いがちなので、

 

again, away, it, take 

 

と、後ろからバラして言ってもらいます。

 

何か覚えるときに後ろから言い直してみるのは、とても効果的です。

前から、同じ順番で繰り返していると脳が寝てしまうので、

後ろから言うことで起こすのです。

 

で、前からもう一度、こんどは部分だけで

 

away again

 

と、何回もsoonと言わなくなるようになるまで練習します。

 

そしたら、

take it away again

 

と、もう一度、ひとかたまりで。

間違えなくなったら、

 

I can soon take it away again

 

If you don’t want it I can soon take it away again.

 

このたった1文を、かなりしつこく、

何回も何回も上記のようにバラしたり、順番を変えたりしながら

言ってもらいました。

 

最初は、このくらいしないと、覚えられないのです。 

1文覚えるのに15分〜20分くらいかかります。

練習し始めは、このくらいが普通です。

 

でも逆に15分あれば1文覚えられるのですから、

本当にできるようになりたかったら1日15分、練習に当てましょう。

 

 

で、悲しいことに次の日にやってみると、忘れていて

ちゃんと言えなかったりするのですが、

これも普通です。

 

忘れたら、またテキストをみて、言ってみて、覚えなおせば良いのです。

 

でも二回目は簡単です。もう鋳型ができているからです。 

 

一緒にやってみて

(こんなに何回もやるんだ……)と、実感していただいたので

次回、自分でやるとき「どのくらい頑張れば良いのか」が

わかっていただけたと思います。

 

要は、「できるようになるまでやる」ということです。

  

自分の中に英語のリズムやパターンが入ってきて

もう少し慣れてくれば、覚えるのも早くなります。

 

 

マダムは、読んだり書いたりする文法理解には問題がないので、

この「聞く、話す」の強化の仕方がわかれば、

あとはやるだけです。

 

 

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まとめです。

 

積極的な目的:教材と同じ発音ができるようになる

       内容を覚えて、表現を自分のものにする。

 

おまけの効果:英語を英語で聴けるようになる

       必要な単語が飛び出して聞こえるようになる

 

100回の聞き方

第1段階:14回は受け身で流して聞く。

第2段階:イヤホンで教材を聴きながらshadowingで自分の声を録音する。

     一度、範囲を全文やってみる。

第3段階:1文ずつ練習する。

     音声教材と自分の発音が同じになるまで練習する。

     できるようになったときには、もうその箇所は覚えている。

 

第2段階と第3段階以外のときも、1日14〜5回聞き、

1週間で100回聞くようにする。

 

 

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100回聞くのは大変です。すきま時間にマメに聞かないと、1日に14回〜15回聞けません。普通は途中でいやになります。

わたしは何度も何度もリピートして言っていて、吐き気がしてきたことがあります。

食べ過ぎと脳が勘違いするのかもしれません。

そこを超えたときにたどり着けるところがあるのです。

 

これを積み上げていくことで、自分の中に「話し方」が溜まっていきます。

話せないのは、「英語の口の利き方」を知らないから話せないのです。

 

もちろん発音もよくなります。

 

良い発音で話せれば、頭の中で流れる自分の英語も良い発音になりますので、

英語を大量に読むだけで、リスニングもできるようになります。

 

地道ですが着実な方法です。

 

あとは、やるだけです(^^)

 

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目の前の毛だけ切りました

 

 

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