リスニングとインナートークの関係について、12感覚から考えてみます。
先週の6、7日、Ingun Schneiderさんのエクストラレッスンの講義を受ける機会がありました。
エクストラレッスンとは、シュタイナーのアントロポゾフィーに基づいた、0〜7歳までの発達を飛び越してしまったり、十分に時間をかけられずに育ってしまい、手助けを必要とする子たちへのアプローチです。
いまどきは、赤ちゃん〜幼児の時期に、その原型的な発達を阻害することが、てんこ盛りの環境(例:赤ちゃんにスマホをいじらせる、バウンサーに入れる等々)ですので、小学生を教えていれば、「あれっ!?」ということだらけです。発達障害は、決して、特別な人の問題ではありません。エクストラレッスンのベースになる12感覚と身体を使ったワークは、ぜひ学びたいことの一つです。
6日土曜日、代々木のオリンピックセンターの講座は、より一般にオープンな内容で、12感覚についての講義が秀逸でした。私も今年3月まで行うシュタイナーの子育て講座で、12月からは12感覚の話をさせていただきますので、そのためにもぜひお聞きしたいと思って行ってきました。
私たちは、知覚を、一般に五感、視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚と捉えていますが、シュタイナーは感覚には12種類あると、述べています。
12感覚は以下の通りです。
上位感覚:自我感覚、概念感覚、言語感覚、聴覚
中位感覚:熱感覚、視覚、味覚、嗅覚
下位感覚:平衡感覚、自己運動感覚、生命感覚、触覚
言語感覚とは、他の音と「言葉」を聞いて、それが「言語だ」と、認識する能力です。その時、意味がわかる必要はありません。私たちは、全く意味のわからない、例えばスウェーデン語、スワヒリ語などを聞いても、それが言語である、と、認識できます。それが言語感覚です。言語や発話に関する知覚です。
言語感覚は、自己運動感覚と深く結びついています。自己運動感覚とは、自分の身体の認識、固有受容覚に関する知覚です。
概念感覚は、その意味がわかる能力、他人の思考に関する知覚能力です。
そして概念感覚は、生命感覚と深く結びついています。
生命感覚とは、内臓に関する知覚です。健康な時は気が付きません。私たちは、いつも胃のことを忘れていますが、お腹が痛くなると、「胃が痛い」と、初めて胃のことに気がつくのが普通ですよね。そして、調子が悪いと、人が何を言ってるかを理解するのはとても大変になります。
リスニングで何が困るって、意味(概念)がわからないから困るわけです。なので、まずは体調を良くすること。
また、概念に結びつけていくには、まずは言語として認識する必要があります。
言語感覚(発話に関する知覚)と、自己運動感覚は深く結びついています。自己運動感覚を育てるには、赤ちゃんのとき、床の上でどのくらい自由に過ごすかがとても大事になります。
また、自己運動感覚は、発話、筋肉の知覚ですから、
自分がどのくらい口を動かしたか
ということが、言語としての認識を上げていくことに繋がります。
まず、声に出して、良い発音で発音できるようになる。
正しい発音ができるようになると、インナートークも正しい発音になり、その言語の認識力も上がります。
だからと言って、就学前の子にCDなどで英語を聞かせたりしなくて良いのです。焦らなくて大丈夫。
7歳(歯が抜ける)までは、他の機能の発達とともに、周りの大人が、肉声で、母語(今、これを読んでいる方の多くは日本語)をしっかり育てます。それが子どもの肉体を育んでいきます。
そして、1〜2年生は、7歳までに使う、模倣の力がまだ強く残っている時期です。この時期に第二外国語の正しい発音を無理なく遊びながら入れていくことで、子どものバランスが取れていきます。
それ以上の学年になっても、もちろん発音は入っていきますが、できれば、3年生より前、無理なく、というのは、1〜2年生がゴールデンエイジです。
お問い合わせいただいて、お母さんはさせたくても、お父さんが「英語なんて、まだ早い」とおっしゃって見合わせる方が、いらっしゃいます。もちろん文法の理解などは、中学生からが良いのですが、発達の観点からは、是非1、2年生から始めたいのです。
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