もっと地図を使おう

前にも書きましたが、本、特に物語が読めているかどうかは、

「自分の頭の中で、どのくらい映像が活き活きと創り出せているか」が、

一つの判断基準になると思います。

 

地図は、脳内映像化を助けてくれるツールの一つです。

 

日本の話なら、例えば北海道といえば、地図のあの形をなんとなく頭の中に思い浮かべることができますし、冬は寒いイメージ、夏は爽やかなイメージ、広大な大地、ポプラの木やラベンダー畑、雄大な自然などステレオタイプなイメージ、また、自分が住んでいるところからの距離感もなんとなくつかめます。飛行機で1時間、遠いね、とか。

 

これが外国となると以前行ったことのあるところや、よほど興味のある所以外は、ぼうっと霧がかかってしまいます。

 

例えば、このあいだ読み終わったAlice MunroのAmundsenは、題名のAmundsenを辞書で引くと、

a Norwegian Explorer.  He was the first person to sail through the Northwest Passage in 1903-06, and in 1911 he beat Captain Robert Scott in the race to become the first person to reach the South Pole.  (LDOCE5)

 

探検家アムンゼンが出てきてしまうのですが、これは違うよね、と。

 

In Amundsenと何回も出てきますから、地名です。

 

じゃあ、地図を見よう、と、

iOSのマップでAmundsenとだけ入れると、最初、アムンゼン湾が出てきてしまいます。いや、海の話じゃない。

 

どうもオンタリオの話らしい。

 

Amunsen Ontarioと入れると、

 

ちゃんと出してくれます。

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ああ、小さい通りの名前だ、というのがわかります。

 

もう少し引いてみます。指で狭くしていけばいいだけです。

 

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トロントのけっこう近くだな、と、わかります。

湖の出てくる話です。

 

カナダの中だとこの辺り。

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主人公が結婚するために行くのが、Huntsvilleという町です。

そこまではクルマなので、距離感を見てみます。

 

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グリーンのピンが立っているピーターバラにAmundsen Ave.はあります。

この物語に出てくる地名は、Amundsen, Huntsville, Torontoの3地点です。AmundsenからHuntsvilleまでは、約200キロです。自分に落とし込んでみると、クルマで東京の日本橋から伊豆半島の突端くらいまでです。また、周りの地勢などを見ると、湖が多く、緑も豊かで、緯度からも確かにここの冬は寒そうだ、ということも想像できます。 

 

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主人公は、列車に乗ってHuntsvilleからPeterboroughを通ってTorontoまで行きます。

Peterborough-Torontoは約150キロですから、第二次世界大戦中の列車なら、かなりな距離です。

 

そんな列車に一人でいきなり夕方乗せられて、着くのは翌日か、なんてひどい男だ、などと考えます。

 

iOSの設定が「いつも日本語」になっていたので、カタカナ表記になっています。

 

日本語にしておくと、例えばスウェーデンの地名は、Goteborgで調べてもイェーテボリ、と、出るので、日本語にしておくのも場合によっては良いのです。

スウェーデン語、読めないので。GとかJの音がイになるのかな。

 

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