この生徒は、アカデミックで、また、戦争関連のことに興味のある人だったので、
とりあえず 日米安全保障条約を読みました。
外務省のページにあります。
Japan-U.S. Security Treaty
http://www.mofa.go.jp/region/n-america/us/q&a/ref/1.html
面白くなかったけど、へえ、こんなに何回も、変更変更で、いじり倒して、めちゃくちゃな文章になっちゃってるのね、というのは良く解りました。
その後、池澤夏樹の無料でダウンロードできる
『イラクの小さな橋を渡って』を読みました。
戦争について、こういうものも彼に読んで欲しかったからです。
この本は、まだその時の彼には少し難しかったので、私が訳してあげることが多かった記憶があります。
その後、English Journalか何かの紹介に「文章が平易」と書いてあったので、
- 作者: Kazuo Ishiguro
- 出版社/メーカー: Faber & Faber Fiction
- 発売日: 2006/01/05
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こちらを読みました。
その時の感触では、そんなに平易というわけではなかったけど、「あのとき、こうしていれば……」という、後悔を語る仮定法過去が多くて勉強になりました。設定がああいう内容とは全く知らずに読み始めたので、最初は、状況を把握するのに???というところがありましたが、風景描写などが美しく、読み切ったときは切なくなりました。
この本からは、Chapter毎に英語で要約をしてきてもらいました。
英語も国語の勉強と一緒だな、と、思ったので、英語で読んで英語で要約してきてもらうのが一番時間短縮になるだろうと思ったのです。
その後、まあ、男子なので、
The Girl with the Dragon Tattoo (Millennium Trilogy)
- 作者: Stieg Larsson
- 出版社/メーカー: Quercus Publishing Plc
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を読み、 このときも要約はしてきてもらい、次に
The Girl Who Played with Fire (Millennium series)
- 作者: Stieg Larsson
- 出版社/メーカー: Quercus
- 発売日: 2009/07/09
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これも読みました。
高校生のお勉強用の教科書としては「ちょっと内容的にどうなの〜?」という本ではありませすが、さすがのページターナー(どんどんページをめくりたくなる本)で、後半1/3は、ノンストップ、寝るのも惜しい感じになります。夢中で読んでいると、「そんなに面白いの?」と、家族が聞いてくるくらいでした。
でも高校生の場合、人は選んで読ませたい本です……。
(後で、女子大生の課題にしたときには、「音読できません」と、真っ赤になっていわれました。大丈夫、お家の人、聞いてもわかんないから……。「辞書の履歴も人には見せられない」と、また赤面……。)
要約は、「え、何?全然それ違うよ!」というときもありましたが、それは要約をしてきてくれるので判ることで、それで良いのです。「おーい、大きくコースアウトしてるぞ〜!!」となったら、呼び戻す。
このくらいになると、GTEC(高校生用のベネッセの英語の試験)なども100点レベルでアップするようになってきました。また、「大量の英語を見てもビビらない」という感触が出てきた、と、言ってくれました。
その後は、もう大学受験前になったので、
- 作者: Edwidge Danticat,Robert Atwan
- 出版社/メーカー: Mariner Books
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この内の何編かを読みました。6〜7編でしょうか。
こちらになると、単語もアカデミックで硬いものが多く、一編が短いので受験対策としては良かったと思います。
彼はみごと理系の国立大学に現役合格しました。ほっ(^^)
教えるわけですから、こちらは彼より先にちゃんと内容を把握して読んでいなければいけません。ですから辞書も丁寧にひきました。そして、彼はけっこう読むのが速い。内容把握はひとまず脇において、どんどん読んで来てしまう。私は彼に引っ張ってもらう形で多読することになったのです。
ありがとう!
彼は今、大学2年生ですから、私の多読にスピードがついてきたのは、ごく最近なのがお分かりいただけるかと思います。
ここ5年くらいのことでしょうか。
2012年、アンドリュー先生のコースを2007年にとってから5年後、先生の引率で、アイルランド2週間の旅に連れて行ってもらいました。このとき、先生との会話が5年前に比べて格段にスムーズになり、自分の考えを以前よりもシームレスに伝えられるようになっているのが実感できました。メールを書いてもかなり複雑なことを自分の言葉で伝えられるようになりました。
やはり読書は効くのです。
この教え方が有効だと手応えをつかんでから、他の中学生以上の生徒にも、可能な子には、どんどん多読方式をとるようになりました。
そのためには、いつも何冊かの本を並行して読んでいることになります。
大人のための読書会も始めたので、いつも違う本を3冊くらいは並行して読んでいます。
こうなってくると、座り込んで本を読んでいる時間だけではとても足りません。
次からは、読むためのツールやコツについて書きます。
※【ご注意】※
小学生にも高学年から副読本を使いますが、小学生へのアプローチは全く別です。また、中学生にもこれが全部適用できるかというと、これは個人差があるので、個々への調整が必要です。
たまに大人用のやり方を小さい子にそのままスパルタでさせようとする親御さんがいるのですが、英語嫌いな人をひとり作るだけなので、やめた方が良いでしょう。こどもには、発達段階別にアプローチするのが遠回りに見えて近道です。小学生へのアプローチも、おいおい書きたいと思います。
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