TOEICや英検など、リスニングで苦しんでる方が多いですね。
リスニング力を段違いにつけるなら、
本を一冊、聴ききってみましょう。
この画像は本のです。
音声はこちら↓
以前も書いたのですが、Life of Piの読書会を始めたころ、家の事情で忙しく、本を読んでいる時間がほとんどありませんでした。でも、参加者より前に読み終えていなくてはいけない。
そして、夏。ぼうぼうと、庭の草が生い茂り、草むしりをせねばなりません。草むしりというのは、ほぼ、何も考えずにただただ、草と向き合う、非常に瞑想的な時間です……っていうか、他に何もできないんです、要するに。
あまりに時間がもったいないので、じゃあ、音声で聞いてみるか……と、
Audible.comでLife of Piの音声をダウンロードし、iPodに入れ、蚊に喰われないよう、重装備で庭へGo! 一旦、スイッチを入れると、手が泥だらけなので、止めたり、巻き戻したりはできません。
いきおい、そのまま音声はどんどん進んでいくことになります。
「このまま聞いてて、わかるのか……?」と、思いましたが、スイッチを押せないので、聞き逃したところへは戻れません。
だいたいどんな話かがわかればいいか、と思いつつ、何回かにわけて、最後まで聞き終えました。Life of Piは、このバージョンで11時間41分と長い話ですが、このときは途中から聴き始めたので、何日間かで聴き終えました。
もちろん100%、わかるわけがありません。知らない単語ばっかりです。でも意味のある大事な単語は、繰り返し繰り返し出てきます。そうするうちに文脈から、「ああ、タルポーレンというのは、防水布のことだ」「アルジーって、昆布のことかな?(実は海藻でした)」などと推測できるようになってきます。
そんなこと言ったって、あなたはもともとできるからでしょう、って思うでしょ。でも、そのときは、そんなことありませんでした。でも、ただただ、聞いてました。スイッチがいじれないから。
で、最後の大どんでん返しを聞いて、しばらく庭で呆然としてしまいました。
で、そのときに気がつきました。このどんでん返しを聞くまで、自分が内容を理解しているのかどうかに確信が持てなかったのですが、「えー!!」と、話の中身に対して思ったときに、「あ、理解してたんだ!」というのがわかったのです。
感動も2倍でした。小説そのものと、自分が流しっぱなしでも、小説がある程度わかった、ということで。
細部はもちろんわかりません。でも、どんな話かはわかりました。この経験は、私のリスニングの大きなターニングポイントになりました。
「細かいことはともあれ、だいたいの筋がわかれば良い」
リスニングは、最初、これで良いのです。
だいたい、わたしたちは、ラジオやテレビを聞いて、どこまで詳しく言われていることを理解してるでしょうか。これができないのに細部までは聞けないのです。
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また、文字を読んでイメージを立ち上げるというのは、大変、労力のかかることなのですが、音声を読んでいるのはプロなので、彼らは、しっかりしたイメージをもって、お芝居をしてくれています。
大人になってからは、経験することが少ないのですが、お話を語ってもらうということは、語り手の作ったイメージを聞き手が共有する、ということなのです。その分、AudibleやCDなどの音声で語ってもらうことは、それがどんな言語であれ、一度語り手が作ったイメージを、こちらに届けようとしてくれている行為です。そして、私たちには、それを受け取る回路が開かれており、みな感受性ももっています。
なので、実は、お話は、読んでもらう方が楽なのです。
こうした経験を積み重ねていくと、リスニング力は上がってきます。
とりあえず1冊、最初から最後まで、聴き切ってみてください。ひとつ違う地平が開けます。
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こんなことを思い出したのも、今日は、縫い物しながらThe Martianを聞いていたからなのでした。
この画像は本(Kindle)の表紙です。
音声のリンクはこちらです↓
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