母語は、3歳までに世話してくれる周りの人の話し方をたくさんインプットして、それを雛形に話せるようになっていきます。無意識の領域にセットされているので、自動的に話せます。
親が〜県出身なら、そのお国訛りを普通に話すようになりますよね。そしてそれはたぶん一生抜けません。
第2言語も、ある程度、無意識の領域まで落とし込めば、顕在意識でいちいち翻訳しなくても話せるようになります。
リアルなネイティブスピーカー
この落とし込みをするときに、第2言語のお父さんやお母さんに相当するような、良いモデル、お手本がいたら、ラッキーです。
自分のケースを考えてみると、26歳で会社をやめて、カナダに1年間住んでいたときの下宿のおばさんだったジェニファーと、2007年~2008年に日本でSpirit of English講座をとったアンドリュー・ウォルパート氏がモデルです。こちらは半年くらい。
ジェニファーは、もと小学校の先生をしていた人だったので、比較的ゆっくり、はっきり話してくれる人でした。本が好きで、語彙が豊富。
なんでも ”Interesting!” が口癖で、それが私に移って、 ”Interesting! “って言ったときには、ジェニファーの友達が、笑って吹き出してました。
私のもう一人の英語モデルのアンドリューは、アントロポゾフィーの先生なので、自分が生徒に何か教えるときに、言い方や、仕草をコピーしてるな、と、思うことがあります。あ、これはアンドリューだ、って感じです。
アンドリュー先生の講座は、たしか半年間に週4日、ひと月に週末の講座が一回、ありました。
リアルなネイティブ・スピーカーと、一定期間、密に過ごすことで、その人の仕草とか、言い方、言い回しなどを無意識に吸収します。そういう意味では、留学は意味がありますね。
モデルがいることのありがたさは、例えば、英語で話していて、誰かが、くしゃみしたときに自動的に “Bless you!” と言えることですかね。こういうのが自然に言えるのは、アンドリューがいつもいつも言うから、というのがあります。言わないと気が済まない感じです。
日本語でなら「いただきます」って言わないと、ご飯を食べ始められない。英語で生活しているときに「いただきます」に相当する言葉がないのでモヤモヤします。その逆バージョンです。文化的な刷り込み。
でも、今は、留学できない? はい。そうですよね。大人は、なかなか留学には行けない諸事情があります。
映画やドラマの中にモデルを探す
よく、外国人で日本語がすごく上手な人が、アニメや、日本のお笑い番組を見て話せるようになったという話を聞きます。Lilico姉さんは、笑っていいともだっけ。
同じことをしましょう。
映画やドラマなどで好きなのを見つけて、とことん見る。ここで大事なのは、「好き」なことです。その人みたいになりたい人。その人の映画やドラマを見る。
もちろん音声教材でもいいんですが、映像があることで、もっと雑多な文化的な情報も入ってきます。
わたしは子供の頃、台湾にいて、当時はアニメーションは全部輸入でした。英語のアニメーションは英語のままだったので、(日本語のは中国語になってましたけど)ポパイのことは、「パパアイ」だと思ってました。オリーブが「パパアイ、パパアイ、ヘープ、ヘープ」っていつも言ってましたから。
”Popeye, Popeye, help! Help!”
でも親は「ポパイ」だっていうので、パパアイしか出てこないのに、ポパイはどこにいるんだろう、と、思っていたもんです。
ピンクパンサーもセリフが全然ないので好きでしたが、警部!って話しかけるところはあったので、Inspector! だけ覚えました。英語の家庭教師の先生が、全然話せない私が、いきなり難しい言葉を発したので、びっくりしてましたが。
以上、あまり参考にならない例ですけど、大人は、意図を持って取り組みましょう。
かなりな濃度で見るのが大事です。何回も何回もです。目をつぶってもありありと浮かぶくらい観る。そのうち、セリフも言えるようになります。今はオンラインでいろいろ選びたい放題ですし、巻き戻しも簡単です。巻き戻しっていうのかな?もはやテープじゃないけど……。
ちょっと懐かしいところでは、『大草原の小さな家』をまたBSでやってます。
昔のアメリカの様子も解るし、ほのぼのしますね。ちょっと古いかな。
https://www9.nhk.or.jp/kaigai/daisougen-bsp/epi/
私は、実は、あまり映画を見ないんですが、サンドラ・ブロックの『ゼログラヴィティ』は、アマゾンプライムで観てすごいなーと思いました。でも、毎日見るような映画じゃないか……。
日常会話なら、やはりホームドラマとかの方がいいでしょうね。ビジネスの現場ならビジネスが現場のドラマ。気の利いた言い回しを覚えられそうです。
コメントを残す